オカヤドカリの宿貝と引っ越し

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飼育の基礎知識

オカヤドカリの宿貝

オカヤドカリは硬い外殻で覆われていますが、腹部には外殻がなく柔らかいため、宿貝は腹部を守ると同時に乾燥を防ぐ目的で背負っていると考えられています。

宿貝にはサザエやバイ貝などの巻き貝のほか、アフリカマイマイの貝殻などを使用し、成長に合わせて引っ越しを繰り返すので、飼育ケース内には背負っている宿貝と同等以上の大きさの貝殻を入れておきます。

宿貝は持ち主によって住みやすいように内部が改造されるらしく、他のオカヤドカリが背負っていた宿貝が好まれる傾向があります。

シェルファイティング

適当な大きさの貝殻がなく、大きさが似ているオカヤドカリが他にいる場合は、他のオカヤドカリを貝から追い出すために攻撃することがあります。

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攻撃されたオカヤドカリが反撃せず貝に籠もって防御態勢になると、攻撃側のオカヤドカリは脚で貝をホールドしながら何度もひっくり返し、自分の宿貝を相手の貝に当てて音で攻撃します。

シェルファイティングでは相手を傷つけるような直接攻撃はありません。

攻撃を貝の中で耐えれば攻撃側が諦めて開放します。耐えきれない時は丸裸で追い出されますが、攻撃側が追い出した後の宿貝に引っ越すとは限らず、奪われた貝を奪還することもあります。

宿替え

オカヤドカリの引っ越しには個性があって、気に入った物件を見つけると即座に引っ越しするタイプや、延々と物件を吟味するタイプなど様々ですが、新しい宿の候補を見つけると、大きさを測るようにハサミや脚を器用に使って貝をクルクルと回転させてから実際に移動して住心地を確認するのが1つのルーティンになっています。

宿貝の好みと成長

オカヤドカリは成長に合わせて大きな宿貝へ 引っ越しますが、順当に適度な大きさの貝を選ぶ個体もいれば、明らかにオーバーサイズの貝に引っ越す個体もいるので、程度な大きさの貝を用意しても引っ越すとは限りません。

オカヤドカリの眼鏡に適わなかった貝は無駄になりますが、タイミングによっては以前却下された物件が採用されることもあります。

オカヤドカリの成長速度は貝の大きさによって変化するようで、オーバーサイズの貝を背負うと脱皮回数が増えて短期間で大きくなり、見た目に小さな貝を背負っている場合は脱皮回数も少なく、成長が遅い傾向があります。

引っ越す回数も個体によって差があり、5年間で8回引っ越しをしたオカヤドカリもいれば、同じ5年間で3回しか引っ越していないオカヤドカリもおり、同じ貝を3年ほど背負っていることも珍しくありません。

宿替えの記録

2018年5月1日に我が家へ来てから現在までの引っ越しの記録。

オカヤドカリ1号

1回目の引っ越し:2018/ 5/ 1 – パール
2回目の引っ越し:2019/ 5/ 16 – チョウセンサザエ
3回目の引っ越し:2019/ 5/ 16 – リュウテンサザエ
4回目の引っ越し:2019/ 5/ 18 – パール
5回目の引っ越し:2019/ 5/ 23 – パール
6回目の引っ越し:2019/ 9/ 22 – チョウセンサザエ
7回目の引っ越し:2020/ 2/ 14 – リュウテンサザエ
8回目の引っ越し:2021/ 10/ 27 – リュウテンサザエ

オカヤドカリ2号(2020年6月 脱皮中に死亡)

1回目の引っ越し:2019/ 9/ 1 – チョウセンサザエ

オカヤドカリ3号(2023年3月 脱皮中に死亡)

1回目の引っ越し:2019/ 2/ 23 – チョウセンサザエ
2 回目の引っ越し:2022/ 12/ 29 – 5号が背負っていたイトマキボラ
3 回目の引っ越し:2023/ 1/ 2 – 緑サザエ
4 回目の引っ越し:2023/ 1/ 15 – パール

オカヤドカリ4号(2018年10月 脱皮中に死亡)

1回目の引っ越し:2018/ 5/ 1 – チョウセンサザエ

オカヤドカリ5

1回目の引っ越し:2018/ 8/ 11 – イトマキボラ
2回目の引っ越し:2019/ 2/ 23 – 3号が背負っていた イトマキボラ
3 回目の引っ越し:2022/ 12/ 29 – 3号が背負っていた チョウセンサザエ

オカヤドカリ6

1回目の引っ越し:2018/ 8/ 15 – イボニシ
2回目の引っ越し:2018/ 10/ 11 – 4号が背負っていた チョウセンサザエ
3回目の引っ越し:2019/ 12/ 1 – チョウセンサザエ
4回目の引っ越し:2020/ 6/ 14 – 2号が背負っていたチョウセンサザエ