水槽内への植物設置には否定的な意見も散見されるが、オカヤドカリにとって決して悪いことではない。
オカヤドカリが好んで食べる植物
オカヤドカリは野菜よりも アダン や ガジュマル を好んで食べる。
アダンやガジュマルの参考アイテムガジュマル
うねうねと絡まった 気根が特徴で 多幸の木とも呼ばれるガジュマルは、亜熱帯 ~ 熱帯に分布するクワ科イチジク属の植物で、寒さ と 乾燥に弱いものの 生命力が強いため 水槽内でも 比較的育てやすい。
耐陰性もあるが 基本的に日光を好む。
ガジュマルは 枝葉 だけでなく 樹皮 や 幹も 食べるので、ある程度 育ったオカヤドカリが 5匹もいれば、3 号 ほどのガジュマルは 1 ~ 2ヶ月で 再起不能な状態になる。
アダン
アダン は タコノキ科タコノキ属の植物で ガジュマルと同じく亜熱帯 ~ 熱帯に分布し、市販されているものは ススキの葉のような感じになっているが 草ではなく常緑小高木。
葉に棘があるので 取り扱いは厄介なのだが 耐寒性・耐陰性があり 乾燥にも強く、日当たりが良ければ しっかりとした葉を次々に伸ばすので ガジュマルよりも育てやすい。
植物用ライト
ガジュマル も アダンも 耐陰性 がある植物なので日陰でも成長するが、観賞用植物育成LEDライト を使用すると 水槽内で成長しやすくなる。
オカヤドカリも特に嫌がる様子はなく、LEDライトの設置前と比較するとアダンの葉の色が目に見えて緑色が濃くなり、葉もハリがあってしっかりとしたものになった。
観葉植物設置 の 注意点
オカヤドカリの水槽内に鉢植えを設置する際は 農薬 や 土 に注意が必要。
農薬
ガジュマルには ハダニ・アブラムシ・ナメクジなどが発生するので、防虫剤 や 殺虫剤が使用されていることが多く、農薬の種類も 表面に付着しているだけのものから 植物内部に浸透しているものまであり、実際に使用している農薬の種類は 苗農家 などに確認しないと分からないため、無農薬 で販売されているものを使用するか 農薬抜き が必要。
土 と ハイドロカルチャー
無農薬で土を使用している鉢植えは ダニなどが発生しやすいため 水槽内の衛生管理が不可欠で、土を使用しないハイドロカルチャーは、ハイドロボールにオカヤドカリが潜って、サイズが小さいオカヤドカリが ハイドロボール内で身動きが取れなくなって死に至る危険があるため、ハイドロカルチャーの鉢植えを設置する場合は、オカヤドカリが潜れなくするなどの工夫が必要。
ハイドロカルチャー
ハイドロカルチャー は 土の代わりに ハイドロボールという人工土を使用するため、土植えと違って虫が発生することがなく衛生的だが、根腐れが発生しやすいというデメリットがある。
根腐れが発生するような環境には 根腐病の原因であるフザリウム菌が繁殖しやすく、フザリウム菌に冒されて 根腐病を発症することもある。
サンゴ砂を使った鉢植え と 直植え
土 や ハイドロカルチャー のリスクを回避するため、現在 ガジュマル は 土の代わりにサンゴ砂を使った鉢植えに、アダン は 床砂に 直接 植えている。
ハイドロカルチャー は ポットに5分の1ほど水を入れるため、小さなオカヤドカリなら潜って溺死するリスクもあるが、底に水抜き用の穴がある 植木鉢を使用するので 水が貯まることもなく、サンゴ砂を使用するため 土のように虫が発生することもない。
オカヤドカリが小さい時は 植木鉢に 念のため 潜らないよう 貝 や 枝サンゴなどでガード。
アダン は 生命力が強く 水はけが良い土壌を好む植物で、サンゴ砂でも しっかりとした根を張るので 直植えしている。
ガジュマルのリカバリ
オカヤドカリが成長してくると 食べる量 も 破壊力 も増大し、ガジュマル の回復力 が追いつかないため、状況に応じて随時 入れ替えを行っている。
オカヤドカリに適した水槽内の環境は ガジュマルにとっても理想的な環境だが、室内で栽培する際には 乾燥と 日照不足に注意が必要で、環境が悪いとガジュマルの葉が急激に黄色へ変色し、黄色に変色した葉は 環境を改善しても元には戻らず 枯れていく。
試行錯誤の末、ダメージを受けたガジュマルは アクリル板 と 植物用ライト を使って 作成した お手製のリカバリールームで療養させており、冬場は ヒーターも併用している。

リカバリールームの制作
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