オカヤドカリと観葉植物

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飼育ガイド

飼育ケースに植物を設置する目的

飼育ケース内への植物設置には否定的な意見も散見されますが、オカヤドカリは野菜よりもアダンやガジュマルを好んで食べるため、観賞用ではなく食用として設置することにはメリットがあります。

オカヤドカリはエサの好き嫌いが激しく、野菜は産地が変わるだけでも食べなくなることがありますが、アダンやガジュマルは葉だけでなく根や幹も食べるため、安定した植物性の食餌源になります。
ただし、タンパク質やカルシウムなど必須の栄養素を補えないため、別途クルミや乾燥シュリンプ、ポップコーンなども必要です。

設置に適した植物

飼育ケース内の高温多湿な環境に適応でき、オカヤドカリが食べても安全な植物は限られます。入手が容易で安全なのはガジュマルとアダン2種です。

ガジュマル

ガジュマルはクワ科イチジク属の常緑樹で、亜熱帯〜熱帯に分布しています。「多幸の木」とも呼ばれ、うねるように絡まった気根(きこん)が特徴です。

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ガジュマルに登るオカヤドカリ

寒さと乾燥に弱い植物ですが、飼育ケース内の高温多湿な環境は生育に適しており、設置するだけで育ちます。耐陰性もありますが、基本的に日光を好む植物です。

オカヤドカリは枝葉だけでなく樹皮や幹も食べるため、ある程度育った個体であれば3号ほどのガジュマルを1〜2ヶ月で再起不能にすることもあります。

ガジュマルの葉が黄色に変色する原因

ガジュマルは乾燥・低温・日照不足など環境が悪化すると葉が黄色に変色します。そのためケース内では変色しにくいですが、室内や冬季の屋外に置いている場合に変色しやすく、気温が5℃以下の環境では落葉してしまいます。

アダン

アダンはタコノキ科タコノキ属の植物で、ガジュマルと同じく亜熱帯〜熱帯に分布しています。市販されているものはススキの葉のような外見ですが、草ではなく常緑小高木に分類される樹木です。

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アダンとオカヤドカリ

葉に棘があるため取り扱いには注意が必要ですが、耐寒性・耐陰性があり乾燥にも強いため、日当たりがよければ次々にしっかりとした葉を伸ばします。消耗と再生のバランスでみると、ガジュマルよりもコストパフォーマンスに優れています。

その他の植物について

ガジュマルやアダンのほかに、ハイビスカス、オリヅルラン、バナナなどが食用には適していますが、いずれも観賞用や園芸用として販売されており、無農薬のものは入手が困難です。また、販売価格もガジュマルやアダンと比較して高く、消耗品としてはオススメできません。
また、苔類は湿度の維持に役立ち、ビタミンやミネラルを含む食餌源にもなりますが、床砂の表面を広く覆うとオカヤドカリが潜りにくくなるため、流木や壁面など限定的な配置が適しています。

植え方と設置方法

飼育ケース内に植物を設置する方法は、鉢植えと直植えの2つがあります。土やハイドロカルチャー(ハイドロボール)にはリスクがあるため、いずれの方法でもサンゴ砂の使用を推奨します。

床砂が湿っているため、ケースに霧吹きをするタイミングで、植物にも霧吹きをします。別途の水やりは基本的に不要です。

鉢植え(サンゴ砂使用)

土の代わりにサンゴ砂を使って植木鉢に植える方法です。底に水抜き穴がある通常の植木鉢を使用するため、ハイドロカルチャーのように水が溜まることがなく、サンゴ砂を使うことで土のように虫が発生するリスクも回避できます。

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植木鉢の中に潜り込まないよう貝などでガード

オカヤドカリが小さいうちは植木鉢に潜り込むことがあるため、貝や枝サンゴなどで鉢の周囲をガードしておくと安心です。成長してくると植木鉢に潜っても植えているガジュマルを倒すようになり、さらに大きくなると潜ること自体がなくなります。

直植え

アダンは生命力が強く水はけのよい土壌を好むため、サンゴ砂に直接植えてもしっかりとした根を張って育ちます。
ただし、床砂を交換するたびに植え直しが必要になることと、オカヤドカリがアダンの根を切り取って食べるため、掃除の際に根がかなりの量で出てくることが直植えの課題です。

ハイドロカルチャー

ハイドロカルチャー は、土の代わりにハイドロボール(人工の粒状土)を使用するため衛生面では優れていますが、サイズの小さいオカヤドカリがハイドロボールの隙間に潜り込み、身動きが取れなくなって死に至る危険があります。さらにハイドロカルチャーのポットには5分の1ほど水を入れるため、潜った個体が溺死するリスクもあります。

ハイドロカルチャーの鉢植えを使用する場合は、オカヤドカリが潜れないようにする工夫が不可欠です。

植物育成LEDライトの活用

ガジュマルもアダンも耐陰性がある植物ですが、植物育成LEDライトを使用すると飼育ケース内でも生育が促進されます。
実際にLEDライトを設置したところ、アダンの葉の色が目に見えて濃くなり、葉にハリが出てしっかりとしたものになりました。朝から夕方までLEDライトを点灯していますが、オカヤドカリが嫌がる様子はありません。

設置前の準備

植物を飼育ケースに入れる前に、農薬と土への対処が必要です。

農薬への対処

ガジュマルにはハダニ・アブラムシ・ナメクジなどが発生するため、防虫剤や殺虫剤が使用されていることが多く、農薬の種類も表面に付着しているものから植物内部に浸透している(浸透性農薬)ものまであります。
実際に使用されている農薬の種類は苗農家などに確認しないと分からないため、以下のいずれかの対処が必要です。

  • 無農薬で販売されているものを使用する
  • 枝葉を水で洗浄し、無農薬の環境に植え替えて1~2ヶ月ほど育てる(農薬抜き)

土の処理と植え替え

購入した苗が土に植えられている場合は、サンゴ砂への植え替えを行います。根を傷めないよう丁寧に土を落とし、水で洗浄してからサンゴ砂に植え替えます。

更新履歴

  • 2026/04/07:内容を全面的に修正し、「オカヤドカリの宿貝と引っ越し」を統合
  • 2023/02/04:内容を一部修正
  • 2022/09/07:従来のブログから「植物」に関する記事をまとめて初版公開

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