床砂の種類
オカヤドカリは飼育ケースに床砂(サンゴ砂)を敷いて飼育するのが一般的で、自然の環境に近づけるため腐葉土などの土を使用する場合もありますが、土はダニ等が発生しやすいため、管理しやすい砂の利用を推奨します。
床砂は10~20cmほどの厚みを持たせるのが理想的で、床砂に使用するサンゴ砂には大きさがあり、 Sサイズ(2cm)程度の個体であれば パウダー と表記されている1mm程度の細粒を多めにします。
60cmの水槽で床砂を15cmの厚みにするためには約17kgのサンゴ砂が必要です。
ホームセンターなどで販売されている安価な珪砂は建設用のものが多く、保管状態の問題もあって生物への使用を禁止しているものあるため使用は推奨しません。
床砂の役割
床砂は水槽内の湿度調整やオカヤドカリの脱皮する場所としても必要で、15cmほどの厚みを持たせても多頭飼育する場合は脱皮中に他のオカヤドカリに襲われる可能性があり、床砂の厚みが薄くなると襲われるリスクも高くなります。
地域差もありますが、湿らせた床砂の厚みが15cmほどだと5月~10月くらいまでは水槽内の湿度を60%~90%に維持できるので、霧吹きなどによる水分補給を頻繁に行う必要はなく、初夏から秋口までは月に1回程度の頻度で床砂を交換していれば、床砂が乾燥することはありません。
冬場にヒーターで水槽内を温め始めると床砂の表面が乾燥するようになるので、床砂の状況を見ながら霧吹きなどでの水分補給が必要です。
ケース内にアダンなどを設置している場合、植物への霧吹きは必要で、特にアダンは葉が乾燥すると赤ダニが発生するので注意してください。
床砂の状態
床砂が乾燥しているとオカヤドカリが上手く潜れないだけでなく、潜った後で身体の水分が砂に奪われて呼吸困難になる可能性があり、水に浸かっているような状態でも呼吸ができなくなるため、ビチャビチャでも半乾きでもない感じに、残留塩素などを除去した真水で砂を湿らせます。
季節によっても若干変わりますが、60cmの水槽で床砂を10~20cmの厚みにしている場合は4Lほどの真水を使用します。
水分量が多いとガラス面に藻が付着します。
水分量が多いと短期間で藻が発生しますが、脱皮などで床砂を交換できていない場合にも発生します。