オカヤドカリと観葉植物

オカヤドカリの水槽内への観葉植物の設置には否定的な意見が多い。
実際、手間暇がかかるだけでなく、オカヤドカリにとってリスクになる場合もあるので注意は必要だが、水槽内の環境に生きた植物があるのは、決して悪いことではない。



観葉植物の基礎知識

観葉植物を水槽内に設置するなら、観葉植物についても最低限の知識は必要。
買ってきた鉢植えを水槽に入れたら良いというものでもなかったりする。

ハイドロカルチャー

水だけで育てるのは水耕栽培で、土の代わりに「ハイドロボール」という人工土を使用するのがハイドロカルチャー。
ハイドロボールには微生物も栄養分もないので、虫が湧くこともなく、衛生的なので室内で育てる観葉植物などで人気。

鉢植えというより、花瓶で根付きの植物を育てる感じなので、根腐れが発生しやすく、水やりがポイントになる。

農薬

普通に観葉植物として販売されているものには、ほぼ農薬が使用されている。
農薬と言っても表面に付着しているだけのものから、植物内部に浸透しているものまであり、使用方法も散布するタイプから、土の上に置くだけのタイプ、肥料などに混ぜるタイプなど様々。

ガジュマルにはハダニ・アブラムシ・ナメクジなどが発生するので、防虫剤や殺虫剤が使用されている可能性は高い。
表面に付着している殺虫・防虫剤であれば、流水で洗い流した上で、枝葉を全て剪定してしまえば良いのだが、オルトランなど内部に浸透した薬剤を取り除くには、農薬を使用していない環境に植え替えてから、1ヶ月ほど毒抜きならぬ農薬抜きをする必要がある。

根腐れ

普通の植木鉢には底に穴が空いており、余分な水が排出される仕組みになっている。

植物の根は呼吸をしており、地中の酸素を取り込み二酸化炭素を排出しているので、水のやりすぎで地中の根が水没してしまうと、はじめは水中から酸素を吸収するものの、冠水状態が持続すると酸素不足に陥り、自身の生存を図る手段として根の細胞を破壊するため、これが根腐れの原因になる。
また、根腐れが発生するような環境には、根腐病の原因であるフザリウム菌が繁殖しやすく、フザリウム菌に冒されて根腐病を発症することもある。

ハイドロカルチャーの栽培方法で、水を容器の5分の1程度しか入れず、水を補給する際も、水がなくなってから2~3日後にするのも、根の酸素不足を回避し、カビの発生を防ぐのが目的。

鉢植えの大きさ

鉢植えのネット通販時に分からないのが大きさ。
「3号」とか「5号」とか表記されているが、なんのことやら分からないので調べてみると、植木鉢(ポット)の直径を表しているらしい。

1号は「1寸」で、1寸はメートル法だと「3.0303cm」。

1号 = 1寸 ≒ 3cm

3号鉢と表記されていたら直径9cm程度の植木鉢ということになる。

土の処理

鉢植えされている植物を無農薬環境に植え替えしたり、ハイドロカルチャーにしたら、当然ながら元の土が余ってしまうが、公園やら河原やらに捨てると「不法投棄」になる。
自宅に庭があればよいのだが、マンションだと土を捨てる場所がない。

で、調べてみたら、なんと「土」はゴミとして出せるらしい。

ただし、ゴミとして回収しない自治体もあるらしいので、住んでいる自治体のHPなりを要チェック。

 水槽内での観葉植物の栽培

オカヤドカリの水槽内には、なぜだかガジュマルが人気なのだが、オカヤドカリはガジュマルの他にもタコノキ科の「アダン」が大好物。
葉に棘があり取り扱いは厄介なのだが、乾燥に強く、水槽内でも比較的栽培が容易なのでオススメ。

観葉植物設置の問題点

オカヤドカリの水槽内に鉢植えを設置する際の問題点は3つ。

  • 観葉植物に使用されている農薬
  • 土植えの土管理
  • ハイドロカルチャーのリスク

土は自然のものなので、当然ながら様々な微生物を含んでおり、虫も寄ってくる。
また、無農薬で栽培するのでカイガラムシやハダニなどが発生しやすく、無農薬ではない普通に販売されている観葉植物は、水槽内に設置する前に無農薬の環境に植え替えを行い、植物内部に浸透する農薬「オルトラン」の有効期限が1ヶ月らしいので、農薬の効果が消えるまで一ヶ月ほど単体で栽培した上で、農薬を含んだ枝葉を剪定する必要があるので、葉をつけた状態にするには更に1~2ヶ月かかることになる。

一方、虫などの問題から土を使用しないハイドロカルチャーの人気が高いものの、ハイドロカルチャーには、ハイドロボールにオカヤドカリが潜ってしまう可能性があり、サイズが小さいオカヤドカリがハイドロボール内で身動きが取れなくなって死に至る危険がある。
更にハイドロカルチャーは水耕栽培に近いので、使用するポットには底穴がなく、ポットの5分の1ほど水を入れるため、深さ10cmのポットの場合、底2cmは水没していることになり、小さなオカヤドカリなら溺死するリスクもある

ハイドロカルチャーを設置するなら、オカヤドカリが侵入しないようにするか、侵入しても潜れないようにするか、潜っても危険がないようにするか、いずれにしても工夫が必要。

アダンのサンゴ砂を使用したハイドロ化

オカヤドカリが潜っても危険がなく、更に溺死のリスクを回避するため、ハイドロボールではなく、床砂と同じサンゴ砂を使用し、ハイドロカルチャーで使用されるポットではなく、底に水が溜まらないよう、土植えと同じ底に穴の空いている植木鉢の使用を試してみた。
ハイドロカルチャーというより、土の代わりにサンゴ砂を使った鉢植え。

アダンを鉢から取り出したところ。
葉に棘があるので取り扱いには要注意。

水を張ったバケツの中で少しほぐすだけで、難なく土が落ちる。

植木鉢の底には穴が空いているので、鉢底ネットを敷いてから、まず荒目のサンゴ砂を入れる。

アダンを持ちつつ、目の細かなパウダー状のサンゴ砂を周りに入れていく。

最後に粗目のサンゴ砂を入れて完成。
当たり前だが、水を入れていくと、砂が吸収しきれない分が下の受け皿に出てくる。

ポットごと床砂の中に埋めたところ。

この状態で日々オカヤドカリによじ登られ、時には食われながらも、妙に元気だったりする。
もともと生命力の強い植物らしいが、水槽内のアダンには水をほとんどやっておらず、床砂を湿らす際に霧吹きを葉にかける程度。
アダンの根本にはオカヤドカリがたむろするので、必然的に根本に糞が散乱しており、このオカヤドカリの糞が養分になっているのかも。

床砂に直植え

サンゴ砂でも問題なくアダンが育つことが確認できたことは良いのだが、さすがに6匹のオカヤドカリが相手だと、葉の成長よりも食われたり切られたりするほうが多く、日に日に葉が残念な感じになっていく。

そこで被害を分散させるため、ポットを1つ増やしたものの、2つのポットを床砂に埋めると床砂内部が狭くなってしまうので、床砂に直植えしてみた。

直植えならオカヤドカリが溺死することもなく、潜っても床砂内で移動できるため問題はないはず。
問題があるとすれば、床砂を交換する度に植え直しが必要なこと、アダンには髪の毛のように細い根があるので、植え直す際に切れて床砂が汚れること、そして植え直しはアダンにとって大きな負担になること。

植え替えの際はアダンへのダメージを低減するため、アダンの根元付近の砂は汚れたままになるが、根の付近を砂ごと掘り起こして、砂の交換後にそのまま植え直すようにしている。

いまのところオカヤドカリもアダンも問題はなさそうな感じ。




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