オカヤドカリの飼育ケース

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飼育環境

飼育ケースのサイズと飼育可能な個体数の目安

オカヤドカリは貝の口径が1cm程度のサイズから販売されていますが、小さな個体は2~3年で2倍以上に成長するため、飼育ケースのサイズには余裕が必要です。

特に多数飼育する場合は飼育ケースサイズが小さいと糞尿で床砂が汚染される割合が増え、有害な雑菌が繁殖する原因になるだけでなく、貝殻の奪い合いなどのリスクも高くなるため、3cm前後の個体であれば 45cm 水槽で3匹、60cm 水槽で5匹ほどが目安 になります。

飼育ケースの高さと蓋

飼育ケースには10~15cm の床砂を敷き、オカヤドカリが身を隠すための流木などを設置するので、20cm以上の高さがある飼育ケースを推奨します。

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オカヤドカリは非常に力が強く、ガラスの棒でもよじ登ることができるので、飼育ケースにはオカヤドカリが動かすことのできない蓋が必須です。

ガラス板のフタが付属している水槽もありますが、ガラス板は載せているだけなので、オカヤドカリは簡単に動かしてしまいます。

温湿度の調整

飼育ケース内は 気温 20℃以上 30℃未満 / 湿度 60% 以上 に保つ必要があり、本州以北では飼育ケース内の湿度低下に注意が必要です。

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密封タイプの蓋では夏場に飼育ケース内の気温が上昇し、プラケースの蓋など通気性のあるものは乾燥する季節で湿度が低下するため、季節に応じて飼育ケースの蓋やヒーター、室内温度などで飼育ケース内の温湿度を調整します。

水槽

ガラスの水槽を使用する場合は60cmサイズだと空の状態でも15kg ほどあり、床砂を 15cm 敷くと30kgを超える重さになるほか、直射日光が当たる場所では季節によって水槽内の気温が危険なレベルに上昇するため、設置場所には注意が必要です。


水槽の場合はナイロンメッシュやパンチングされた塩ビ板などを加工した蓋を自作し、ガラス板と併用すると温湿度の調整がしやすいです。

爬虫類用のメッシュ蓋が市販されていますが、オカヤドカリは鉄などの重金属が鰓に付着すると呼吸困難を引き起こす可能性があるため、鉄製のメッシュ蓋は推奨しません。