オカヤドカリの死因

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飼育の基礎知識

脱皮の失敗

温湿度の管理が出来ている飼育環境下で最も多いオカヤドカリの死因は脱皮の失敗だと思われます。
オカヤドカリは通常 床砂に潜って脱皮を行いますが、脱皮中に新しい外殻が形成されない、または 古い外殻が剥がれない 場合に回復できず衰弱死することがあります。

脱皮にはタンパク質・ミネラル(カルシウム・マグネシウムなど)・炭水化物・脂質などの栄養が不可欠なため、エサのバランスが悪いと脱皮不全を起こしやすく、その他にも脱皮中の干渉や温湿度管理など飼育環境の影響もあります。

オカヤドカリの脱皮
オカヤドカリの脱皮 と 脱皮の前後に見られる 海水の摂取 や 穴掘りなどの特徴、オカヤドカリの脱皮期間の目安、脱皮中の事故 など オカヤドカリの飼育に不可欠な 脱皮についてを 実際の飼育記録に基づいて紹介。

共食い

オカヤドカリは宿貝を奪う シェルファイティング の際も直接相手を傷つけるようなことはありませんが、タンパク質や脂質など必要な栄養が不足している場合や、脱皮して外殻が固まっていない状態のオカヤドカリがいる場合などは共食いのリスクがあります。

共食いを避けるにはバランスの取れたエサと、引っ越し用の貝殻の設置、脱皮中に深く潜れる床砂などが必要です。

オカヤドカリの宿貝と引っ越し
オカヤドカリは 身体が貝の中に収まらなくなっても 頑なに宿替えしないのもいれば、新しい物件があると 常に興味を示して 短周期で 宿替えする個体もいるなど 様々で、宿貝を巡る争いや 宿貝の好みなど オカヤドカリの宿替え について紹介。

乾燥と低温

オカヤドカリは呼吸するために水分が必要なため、飼育ケース内は温度だけでなく湿度管理も重要で、飼育ケースにフタをせず外気が直接流入するような環境では、湿度が低下してオカヤドカリの鰓や腹部が乾燥して呼吸困難に陥り、最悪の場合は呼吸できずに窒息死するほか、飼育ケース内の気温が長期間 20℃を下回るような環境では、十分に活動することができず、衰弱死する可能性があります。

気温と湿度の調整
オカヤドカリは高温多湿の 熱帯~亜熱帯 に生息する生き物なので 寒さ と 乾燥 に耐性がないため、飼育する地域によってヒーターなどで 保温 と 保湿が必要で、水槽の保温・保湿の方法 と 使用するアイテム、オカヤドカリが活動する適温などを紹介。

過干渉

オカヤドカリには記憶する器官がないため飼い主を認識することはなく、人間が近くにいるだけでも危険を感じ取り、直接触わると捕食されるレベルのストレスを感じるため、飼育ケースから取り出して遊んだり、必要以上に触れると衰弱死のリスクがあります。

床砂を交換する際に 別の飼育ケースに移すとき以外、エサ・水換えの時も含めて基本的にオカヤドカリには触らないようにします。
オカヤドカリの知覚力
オカヤドカリの視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚の五感と、匂いだけでなく気圧や磁場を感知できる触角、天気や地震を予知しているようなオカヤドカリの行動などを紹介。

エサ・水

オカヤドカリは化学物質を感知できるので、有害物質を誤食することはありませんが、与えたエサを食べなかったり、栄養が偏っていたり、水分補給で使用する真水に水道水を直接使用するなどで衰弱する可能性があります。

オカヤドカリの水とエサ
オカヤドカリが好んで食べる ポップコーン や サトウキビ・ニンジン・サツマイモなどのほか クルミ や レーズン などの ドライフード使用した 常用できる 特製ミックスフードの素材 など オーガニックにこだわった オカヤドカリの餌 を紹介。

化学薬品などの使用

オカヤドカリを始めとする甲殻類にとって水銀や鉛などの重金属、農薬や殺虫剤、酸性の物質などは有害で、生殖・成長・免疫機能などに悪影響を与える可能性があるため、飼育ケースがあるところでの殺虫剤の使用や、飼育ケースの洗浄時などにも化学薬品の使用は避けるようにします。