オカヤドカリの五感
視覚
甲殻類には複眼と単眼の両方を持つものもいますが、オカヤドカリは 眼柄(頭部と複眼を結ぶ部位)の先に 複眼 があり、網膜にある視細胞が光や色を検知できると言われています。
聴覚
オカヤドカリに聴覚器官はなく、歩脚にある細い毛で音波を捉えることができる考えられていますが、どの程度の聴覚能力があるのかは十分に解明されていません。
味覚
オカヤドカリに味覚はないとされていますが、甲殻類の味覚については十分に解明されていません。
嗅覚
オカヤドカリなどの十脚類は 触角 にある嗅球という嗅覚器官で検知した匂いの情報を処理しているほか、触角には 化学物質を感知する受容体があり、有害物質を回避している という研究結果 があります。
触覚
オカヤドカリの触覚は 触角 が担当しており、エサの探知や環境の変化を察知します。
オカヤドカリの触角
オカヤドカリなどの甲殻類は 触角 で匂いを嗅ぎ分けて周囲の状況などを感知していますが、オカヤドカリはカニやエビと同様に触角や触角毛で磁場を感知することで方向感覚があり、気温・湿度・気圧などの環境情報を感知できるとされています。
オカヤドカリは触角で気温や湿度を検知しているので、飼育ケース内の気温や湿度が低下すると敏感に反応し、目に見えて動きが鈍くなります。
床砂に潜っても磁場を感知して自分の位置を把握できるいるので、空間識失調を起こさずに移動できるほか、地表にある障害物なども感知しているように思われます。
オカヤドカリと天気
オカヤドカリは触角で気温・湿度・気圧などの環境情報を感知できるため、低気圧が近づいて 雨が降る前になると、 水に濡れるのが嫌なのか、流木などの高所に移動していることがあります。
正確な気圧や気温、海水温度、衛星写真など様々な情報を分析している現在の天気予報ですら降水確率しか出せないので、オカヤドカリの天気予報も確実性はありませんが、オカヤドカリが全員 高所に避難しているときは 結構な確率で数時間 ~1日後に雨が降ります。

2018/ 9/ 30
大型の台風24号接近中
台風24号が来る当日の午前11時頃 オカヤドカリ達は 脱皮明けの5号以外は 全て高台へ避難し、5号は 乾燥エビを食べた後 流木シェルターの奥で 天井にしがみついていました。
2019年4月24日は前日からの雨が翌朝には止み、天気は回復に向かうという予報でしたが、オカヤドカリたちが高所に留まったまま動かず、数時間後に Yahoo の豪雨予報 ( 強い雨 ) を受信する程度の強い雨が降ってきたこともありました。
2019年7月の西日本豪雨 ( 平成30年7月豪雨 ) の時は、雨が降り始める前日から高所に移動し、翌日の夕方には 目に見えてオカヤドカリたちの警戒レベルが上がっていました。
爆弾低気圧の影響で早朝に暴風警報が発令された2021年1月8日は、まるで強風を避けるように流木のシェルターの中で朝からほとんど動かずに 一日中 身を寄せ合っていました。
オカヤドカリと地震
磁場を感知しているのか、大きめの地震が発生する際もオカヤドカリたちが揃って同じ行動を取ることがありますが、これまで何度も震度3以上の地震はあり、2021年 3月17日 の福島県沖で発生した 震度4の地震の時も 普通にしていたので、何を感知して行動しているのか分かりませんが、よく動く触角で様々な情報を得ているのは確かなようです。

2018/ 6/ 18
大阪北部地震 発生時
大阪北部地震の発生時 自宅周辺は震度5弱で、地震発生時は 枝 や 石に張り付いた状態でした。

2021/ 3/ 7
2021年3月7日から4匹が流木のシェルターに入ったまま 出てこなくなり、流木の中に身を潜めていたオカヤドカリ達が 出てきたのは 丸2日以上経った 3月 9日 の昼前で、偶然かもしれませんが福島県沖で震度4の地震が発生した後で、その後もオカヤドカリたちはシェルターに隠れることが多く、時を同じくして熊本や和歌山で震度3以上の地震が頻発し、16日の夕方になって ようやく平常運転に戻りました。

2021/ 4/ 30
2021年4月28日からシェルターに籠もった時は、5月1日 午前 10時30分頃 宮城県沖で最大震度5の地震が発生しっました。