オカヤドカリの生態と特徴

飼育の基本

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オカヤドカリは エビ目(十脚目)・ヤドカリ下目・オカヤドカリ科・オカヤドカリ属 に分類される甲殻類(甲殻亜門)で、国内では小笠原諸島 と 南西諸島に生息し、十脚目の名の通り エビ や カニ など 甲殻類の脚は 5対10本あり、オカヤドカリは 後ろ2対の脚で貝殻を背負っているので、普通に見えている部分は ハサミを入れて 3対6本 になる。

ヤドカリ下目 に属する仲間には タラバガニヤシガニ がいる。
熱帯域に分布するヤドカリの仲間で、日本には7種類のオカヤドカリが確認されており C.cavipes という種が一般的に オカヤドカリと呼ばれているが、販売されているのは ムラサキオカヤドカリ (C. purpureus ) と ナキオカヤドカリ (C. rugosus ) で、ムラサキオカヤドカリ も ナキオカヤドカリも 販売時には区別されていない。

ムラサキオカヤドカリ は 名前のとおり 身体が 青みを帯びており、ナキオカヤドカリの 身体は 茶褐色。

オカヤドカリの ハサミ脚は 左右が非対称で、餌を食べるときは 大きなハサミで餌を固定して 小さなハサミを使って餌を口に運ぶ。

寿命

20~30年 という長寿の 個体も確認されているが 飼育下では10年程度。

自然界では 植物の葉 や 実、海藻、魚の死骸 のほか 人間の残飯 なども食べており、海の掃除屋という微妙な二つ名を持っている。

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オカヤドカリの餌

自然界のオカヤドカリは 海藻 や 草木、魚の死骸、人間の残飯 などを食べる 植物メインの雑食性だが、意外と好き嫌いがはっきりしており、個体によっても 嗜好が異なっていたりする。 オカヤドカリに味覚はなく、触覚で匂いを感じ […]

脱皮

オカヤドカリは脱皮を繰り返して成長していくが、脱皮のタイミングは 神経分泌・内分泌系の変化のほか、自然条件 や 外傷などによる歩脚の切断でも脱皮が促進され、外殻をある程度まで分解して カルシウムを吸収した後、古い外殻を脱ぎ捨てて 新しい外殻が固まるまでが 脱皮のプロセスになる。

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オカヤドカリの脱皮

脱皮は 床砂の中など 身を隠せる 安全な場所で行われ、脱皮中は 外殻が固まっていない ソフトシェル の状態になるので、床砂を掘り返したりせず、脱皮が終了するまで 静かに見守る。 床砂の厚みがないと地表で脱皮を始めるが、脱 […]

呼吸

陸棲のオカヤドカリには 水棲の名残があり、甲部でエラ呼吸、腹部で皮膚呼吸をしており、いずれもエラ呼吸 も 皮膚呼吸も 湿った状態でなければ 空気中の酸素を取り込めないため、宿貝の中に少量の水を貯めて 乾燥から身を守っている。

オカヤドカリのエラ呼吸は 魚のように水中の酸素を取り出せないので、呼吸のため水分は必要だが 水中では呼吸ができない
繁殖

オカヤドカリの繁殖は エビ や カニと同じで、メスは抱卵して 卵が成長してくると海中に ゾエアという幼生(プランクトン)を放出する。

ゾエア を 海中に放出するため オカヤドカリは 海に近い場所に生息しているが、成長して 海中から陸に上がった後は 海に戻ることはない。
飼育下での繁殖は 抱卵したメスが ゾエア を 海水に 放出できる環境と、放出された 大量の ゾアエ を海水内で育成、 更に 海水 から陸上に上がって 宿貝を背負うまでの環境 が必要なためハードルが高い。
うんち

少食の割に オカヤドカリは 5 mm ~ 10 mmほどの 黒くて細長い 立派な糞を出す。

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臭いなどは気にならないが、自然界ならいざ知らず 水槽内での飼育では バクテリアで分解できるような量ではない。

糞は貝の中で排泄して 器用に 脚で運んで 外に捨てる。
鳴き声

オカヤドカリには声帯がないので 声を発することはないが、ストレスが溜まった場合などに 貝の内側を脚で 擦って 音を出すことがある。

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オカヤドカリ3号にマウントされている6号の鳴き声

ギッギッギッギッギッ と聞こえるのが オカヤドカリが発している音。

金属・薬品

オカヤドカリは エビ や カニの仲間なので、有機溶剤などの石油類、鉄 や 銅などの重金属、農薬 や メチレンブルーのような魚病薬などの 薬品に弱く、身体が小さいため 残留農薬でも 生命が危険に晒される

国の天然記念物

国産のオカヤドカリは 国の天然記念物に指定されているが、絶滅のおそれのある野生動植物 でも 特別天然記念物 でもないため、国の許可を得た業者は捕獲できる。

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のんのんびより 49話

許可を得ていない一般人が 沖縄の海岸でオカヤドカリを見つけて持ち帰ると 文化財保護法違反 ( 5年以下の懲役 若しくは禁錮 又は30万円以下の罰金 ) になる。

オカヤドカリの パワー

オカヤドカリは 非常に力が強く、バランス感覚も優れている。

ハサミは強力な武器になるが、オカヤドカリが攻撃してくることはない。

水が苦手?

一部でオカヤドカリが貝ごと浸かるくらいの水入れを推奨しているものの、大きな水入れを用意しても 水浴びをするようなことはない。

水場では 水に浸かるのを 避けるように歩き、床砂に霧吹きをしているときも 水がかからないような場所に隠れるので、水に濡れること自体を嫌っているように見える。

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オカヤドカリは 海水 を好んで 摂取するが、摂取するときは 器の縁 から ハサミを水につけて 口に運んでいる。

オカヤドカリの活動時間

オカヤドカリは夜行性と記載している記事が多いが、オカヤドカリの活動は 外敵 が近くにいるか否かに左右されており、安全を確認できれば昼夜の別なく活動する。

カタツムリのように 夜行性 の生き物は、夜間から早朝まで活動して 明け方には砂の中に戻るため、オカヤドカリのように昼間に動き回るようなことはない。

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我が家のオカヤドカリに限って言えば、11時過ぎから動き出して 15時くらいまで 活発に活動し、しばらく大人しくなって 23時くらいからガサゴソと活動を再開するが 2 ~ 3時間で静かになる。

オカヤドカリの日光浴

亀が甲羅干し や トカゲの日光浴は 体温調整のほか ビタミンD を生成するために 紫外線が必要だからで、人間も日光浴不足になると ビタミンD が 欠乏し クル病などが発症してしまうが、オカヤドカリは ビタミンD の生成が不要なので 日光浴をさせる必要はない。

乾燥の危険があるため オカヤドカリは 直射日光が差すと必ず日陰に移動する。

直射日光 は 水槽内が高温になるリスクもあり 推奨されないが、紫外線による殺菌効果などを期待して 水槽に日光を当てる場合は、水槽内の温度・湿度 のほか オカヤドカリが 日差しから身を隠せる場所が必要。

オカヤドカリが動かない

オカヤドカリは 木にしがみついたり 岩陰などで丸まったまま、脱皮するわけでもなく 電池が切れたように 動かなくなることがある。

床砂の厚みがないなど 砂に潜れないような環境では、餌入れの下などに身を隠した状態で脱皮することもある。

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半日から長ければ24時間以上、時間が停止したような感じで動きを止めてしまうが、充電期間が終了すると 何事もなかったかのように活動を再開するので、動かなくても 触ったりせずに見守る。

これまでの最長記録は 流木の中に入ったまま、他のオカヤドカリが上に乗っかても動じず、3日間 動かなかったことがある。

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