飼育ケース
オカヤドカリは、小さな個体でも2〜3年で2倍以上に成長するため、飼育ケースは余裕を持ったサイズを推奨します。
サイズと飼育数の目安
オカヤドカリを多数飼育する場合は、ケースのサイズが小さいと糞尿で床砂が汚染される割合が増え、有害な雑菌が繁殖する原因になるほか、貝殻の奪い合いなどのリスクも高くなります。
そのため、3cm前後の個体であれば45cm水槽で3匹、60cm水槽で5匹が目安 になります。
🐚目安の数より多いと、淘汰されるようにオカヤドカリが死んでいくので、無駄な死を避けるためにも少ない数での飼育を推奨します。
飼育ケースの高さと蓋
飼育ケースには10~15cmの床砂を敷き、オカヤドカリが身を隠すための流木などを設置するので、ケースの高さは20cm以上あるのが理想です。
また、オカヤドカリは木登りが得意で、垂直のガラス棒でも登ることができるため、ケースには蓋は必須です。
蓋は軽いものであれば、オカヤドカリが簡単に動かせるため、重しなどで固定します。
🐚 ガラス板のフタが付属している水槽もありますが、ガラス板は載せているだけなので、重しがなければオカヤドカリは簡単に動かしてしまいます。
飼育ケースの設置場所
ガラスの水槽を使用する場合、60cmサイズだと空の状態で15kgほどあり、床砂を15cm敷くと30kgを超える重さになります。さらに、床砂を湿らせるために 5Lほどの水を入れると、総重量は 40kg近くになるため、設置場所には注意が必要です。
また、直射日光が当たる場所では、季節によってケース内の気温が危険なレベルに上昇するため、日除けなどの対策が必要になります。
🐚飼育ケースには水に含まれるカルシウムが付着して白く濁ってくるため、ケースの洗浄も定期的に実施することになります。ケースを洗う場所とそこまでの移動経路も考慮して、設置場所は決めてください。
床砂
オカヤドカリは、飼育ケースに床砂(サンゴ砂)を敷いて飼育するのが一般的です。自然環境に近づけることを目的に、腐葉土などの土を使用する場合もあります。ただし、土はダニ等が発生しやすいため、管理しやすい砂の利用を推奨します。
床砂の種類と量
サンゴ砂は大きさにバリエーションがあります。オカヤドカリの床砂には、1mm~3mm程度の大きさのサンゴ砂が適しています。
使用する砂の大きさは、飼育するオカヤドカリの大きさによって調整すると良く、Sサイズ(2cm)程度の個体であれば、1mm以下のサンゴ砂を多めにします。
🐚 ホームセンターなどで販売されている安価な珪砂は、建設用のものが多く、保管状態の問題もあって、生物への使用を禁止しているものがあるため、使用は推奨しません。
サンゴ砂の量ですが、60cmのケースで床砂を15cmの厚みにする場合、約17kgのサンゴ砂を使用します。さらに、床砂の交換分も必要になるため、合計で35kgを目安に用意します。
床砂の役割
床砂は単に下地というだけでなく、飼育ケース内の湿度調整やオカヤドカリの脱皮場所という役割があります。
床砂に厚みをもたせるのも、できるだけ静かな環境で脱皮できるようにするためです。多頭飼育の場合は、脱皮しないオカヤドカリも床砂に潜り、場合によっては脱皮中のオカヤドカリを攻撃したり、宿貝を略奪することがあるため、床砂は深いほうがリスクも低減します。
🐚オカヤドカリは脱皮後に自分の外骨格を食べて、カルシウムやキチンなど新しい外骨格の硬化に必要な栄養素を回収します。しかし、この栄養豊富な外骨格の匂いは他のオカヤドカリも引きつけます。脱皮直後の軟殻期の個体は外骨格と同じ匂いを発しているため、食物と区別されず、共食いの対象になるリスクがあります。
床砂を湿らせておくのは、ケース内の湿度調整だけでなく、脱皮して軟殻期にあるオカヤドカリを乾燥から防ぐ目的もあります。床砂が15cmほどの厚みがあり、十分に湿っている場合、5月~10月くらいまでならケース内の湿度を60%~90%に維持できます。ただし、乾燥する秋から春にかけては、ヒーターを使用することもあり、床砂が乾燥しやすいため、砂の状況を見ながら霧吹きなどでの水分補給が必要です。
🐚ケース内にアダンなどを設置している場合、湿度に関係なく植物への霧吹きは必要です。特にアダンは葉が乾燥すると赤ダニが発生するので注意してください。
床砂の水分管理
床砂が乾燥していると、オカヤドカリが上手く潜れないだけでなく、潜った後で身体の水分が砂に奪われ、呼吸困難になる可能性があります。特に個体のサイズが小さいときは注意が必要です。ただし、オカヤドカリは水中では呼吸できないため、湿らせすぎて水に浸かっているような状態も避けてください。
目安としては、60cmのケースで床砂を15~20cmの厚みにしている場合、4~5Lほどの真水(残留塩素を除去したもの)を使用します。この配分で砂団子を作れる程度の湿り具合になります。
使用する水は残留塩素などを除去した真水を使用します。一般的な浄水器であれば、残留塩素を始め、オカヤドカリにとって有害な物質を除去できるので、浄水器の水を使用するのが手軽です。
🐚残留塩素は室内でも3日ほどで抜けるので、汲み置きでも問題ありません。また、太陽光に半日ほど当てても除去できます。ただし、これらの方法は残留塩素の除去のみで、溶解性鉛や農薬などオカヤドカリに悪影響を及ぼす可能性がある物質は除去できません。
温湿度管理
飼育ケース内は、気温20℃以上30℃未満、湿度60%以上 に保つように調整します。本州以北では、秋~春にかけて乾燥した状態が続くため、飼育ケース内の湿度低下に注意が必要です。

密封タイプの蓋では夏場に飼育ケース内の気温が上昇し、プラケースの蓋など通気性のあるものは乾燥する季節で湿度が低下します。そのため、季節に応じて飼育ケースの蓋やヒーター、室内温度などで飼育ケース内の温湿度を調整します。
🐚水槽の場合は、ナイロンメッシュやパンチングされた塩ビ板などの蓋とガラス板を併用すると、温湿度の調整がしやすいです。
👉️温湿度調整についての詳細は下記ページを参照してください。

エサ入れ・水入れ
オカヤドカリは非常に力が強く、自重の十倍程度であれば軽く動かすことができるため、エサ入れや水入れは重量があるものや、ひっくり返されないよう工夫をしたものを使用します。

オカヤドカリは気に入ったエサを容器から持ち出して独り占めします。深いエサ入れを使用すると持ち出しは減りますが、体が小さなオカヤドカリを飼育する場合は、安全に出入りできるような工夫が必要です。
水入れには真水用と海水用の2つが必要です。真水と海水を1つの容器でまかなえる仕切り皿が便利ですが、用途に合うものが少ないため、自作 もお勧めです。
🐚ポリレジンは、貝殻や卵の殻が主成分の炭酸カルシウムとポリエチレン樹脂を混ぜたプラスチックで、疑似陶器として使用されています。重量があるので引っくり返されることもありません。ただし、耐熱性がないため、煮沸消毒はできません。
👉️ 水とエサの詳細については下記ページを参照してください。

シェルター
飼育ケース内には、オカヤドカリが身を隠せる場所を設置します。市販の半円ドームタイプのシェルターのほか、コアのない天然流木やサンゴ石など、オカヤドカリが潜り込める形状のものであれば代用できます。

素焼き素材のシェルターはオカヤドカリの水分を奪うという情報が見られますが、根拠となる資料は確認できていません。
🐚床砂が十分に湿っていれば、素焼きの植木鉢などを設置すると、植木鉢が床砂の水分を吸い上げるため、オカヤドカリの水分が持っていかれる可能性は低いと思われます。
流木
オカヤドカリは木登りが得意で、流木など高さのあるアイテムを設置すれば、狭い飼育ケースを立体的に活用できます。

飼育ケースの蓋にメッシュ素材を使用し、天井に届く高さの天然流木を設置すると、流木から天井に移動して散策するので、オカヤドカリの行動範囲を拡大することができます。
また、天然流木を使用すると、オカヤドカリが削って食べることもあります。
🐚自然界のオカヤドカリは高いところを好む習性があるため、天然木の設置はお勧めです。
植物

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水入れには残留塩素を除去した真水と、できれば海水(人工海水で可)を与えてください。湿度が60%以上の環境であれば、オカヤドカリが積極的に真水を求めることはありませんが、呼吸に必要な命綱なので必ず設置します。海水については、通常のエサで不足しがちなミネラルを含んでおり、脱皮する際に必要な栄養素でもあるため、オカヤドカリの健康のため、設置を推奨します。






